「ISAK」が求める生徒像とは〜小林りん氏に聞く
リーダーになる人には種があるはず

外国人の生徒向けの日本語クラスの様子(2013年のサマースクール)
——入学試験はどのような内容ですか。
「一次審査では、TOEFL(*1)やSSAT(*2)といったテストの結果や学校の成績を提出するよう求めますが、趣旨から言ってテストスコアだけで足切りをする学校ではありませんので、それに加えて論文を書いてもらいます。二次審査では、一次審査を通った方全員の面接を行います。海外の方は対面でお会いするのが難しいので、Skypeを利用して面接をしています」
——面接では受験者のどういった部分を見るのですか。
「いくつかありますが、最も重要なのは学校の理念や方針を深く理解しているかどうかです。リスクをとって挑戦する力を育てると言っているので、生徒だけでなく保護者も含めて、そういった志向でない人が入学すると逆に不幸かもしれません。単に『海外の大学に行きたい』『英語が上手くなりたい』だけでなく、多様性に対して興味があり、自分で何か変革を起こしたいという人を私たちは求めています」
「もう1つは、自分が興味のあることを世の中で実践しているかどうかです。中学3年生であれば、将来リーダーになる人には何かしら種があるはずです。すごく興味を持っている分野があるとか、あるいはそれが見つかっていなくても何かハードルを乗り越えてきた経験があるとか。小さなことであっても、自分でイニシアティブをとって社会と関わった経験があるかどうかを聞きます」
——先ほどの話に出ていた「Social Services」のようなものでしょうか。
「それに限らず、例えばそれまで学校になかったクラブを作った、といったことでも良いんです。あれっと感じた時に自分がイニシアティブをとる、そういったリーダーとしての素地があることが望ましいと思っています。あとは、全寮制なのでやはりたくましい子でないと厳しいですね。挫折力というか、何があっても這い上がってくる精神力が必要です。そのためには親に言われて来るのではダメで、自分で来たいと思ってチャレンジしてくる子が良いです」

リーダーシップに関するアクティビティの様子(2013年のサマースクール)
——初年度は実際にどれくらいの応募がありましたか。
「233人の方から応募をいただきました。国内からの応募が4割程度で、あとは海外からです。海外はこれまで開講してきたサマースクールの参加者のほか、Facebookを通してISAKを知ったという人が多くいました。サマースクールのように1週間ではなく高校3年間ですし、新設校に本当に人が来るのか実はすごく不安だったのですが、蓋を開けてみるとたくさんの方から応募をいただけてホッとしました」
——小林さん自身も面接に立ち会われたのですか。
「実は私は産休中で面接には入っておらず、校長が中心になってくれました。1期目なので自分も立ち会いたかったのが本音ですが、学校法人の理事長はオペレーションに入らないのが普通ですし、生徒募集に関しては校長に権限委譲するのが望ましいので、結果的には良かったかなと思っています」
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*1: Test of English as a Foreign Languageの略で、米国の団体が主催する英語テスト。http://www.ets.org/jp/toefl
*2: Secondary School Admission Testの略で、米国の高校に入学する際に受験する統一テスト。http://www.ssat.org