夢が見つかるまでは勉強しろ!〜Tehu氏に聞く


 

 「ゆとり世代はクリエイティブ」

——米国の教育を全体としてはどのように評価していますか。

「あまり意味のない分類ですけど、仮に日本人全員を学力で順位付けした場合、僕は1億2000万人の中で上位10%に入っていると思うんです。そういう場所から見ると、スタンフォードもMITもいいなと感じます。逆に学力が下位10%の日本の子たちから見て、日本の中学・高校と、米国の中学・高校のどちらがいいか。さきほどのドラッグの例を見れば明らかですよね。日本はそもそも先進国なんだから、海外の真似をするのではなく、新しいスタイルを確立しないといけないと思います」

——日本は教育分野においても先進国と言えるのでしょうか。

「何をもって教育先進国とするかですけど、世界的な指標を1つ挙げるなら識字率だと思います。そういう意味では日本は江戸時代から教育先進国ですし、寺子屋すげーって感じです。アフリカの国々から見たら、これだけ文字を読める人がいること自体が羨ましいんじゃないですか」

——英語教育やディスカッションなど、日本の教育の弱点と言われるようなところもありますが。

「灘にもディベートの世界大会で入賞している子がいますし、トップレベルの子は今でも十分世界に通用すると思いますよ。日本人全員が英語でディスカッションする能力を身につけるべきかというと、微妙ですね。日本の英語教育はボトムアップの話ばかりですが、中学・高校の上位校にどんなプログラムを入れるかの方が大事だと思います。週3球投げていたらダルビッシュになりましたというのはあり得ないので、やるなら徹底的にやった方がいいです」

——Tehuさんはいわゆる「ゆとり世代」にあたりますが、それが自分にとって良かったという話も東洋経済オンラインの連載で書かれていますね。

「僕の学年だけが小1から高3までゆとり教育を受け続けた世代、つまりフルゆとり世代なんです。この世代はその下の世代よりクリエイティブだという感覚があります。僕自身にとって一番大きかったのは週休2日制ですね。土日が使えたおかげで中学生の時にアプリを開発できた(*3)し、週末に1泊2日で東京に行ってすごい経営者や研究者たちに会えた。でも良かったというのは主観的な感想で、あと15年経ってゆとり世代がみんな社会に出た時に統計をとらないと、政策としての評価は分からないです」

——ゆとり世代の方がその下の世代よりもクリエイティブだというのは、何か根拠があるんでしょうか。

「明確な根拠はないですね。クリエイティブかどうかは主観的な問題だと思っています。僕らの世代は『俺たちゆとり世代だけど文句ある?』って感じで、受けた教育に負い目を感じていないし、今の常識にとらわれない傾向がある。自分のことをクリエイティブだと思える人間が多いという意味です」

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*3 Tehuさんは中学2年生の時に、身長や体重などからBMIや必要摂取カロリーを算出するiPhoneアプリ「健康計算機」を開発。福島第一原子力発電所の事故が起きた翌月には、公表されている放射線量を1年間浴びた場合の健康被害を確認できるアプリ「放射能計算機」を開発した。

 




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