【自然科学が身近になるビジュアル系図鑑】

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こんにちは、eduview編集者の荒木です。

今回のレビューで取り上げるのは、自然科学に関する図鑑です。

ここ数年、書店を訪れて「面白そうな図鑑が増えたなあ」と感じていたところ、実際に図鑑の販売は好調で、プチ図鑑ブームと言えるような現象が起きていたようです(*1)。

大手の教育系出版社が工夫を凝らして子ども向け図鑑のラインアップを増やす一方、海外のベストセラー図鑑を翻訳して国内で出版する動きも広がるなど、まさに百花繚乱です。

ここでは、その中でも特におすすめの図鑑を3冊紹介したいと思います。

 

『世界で一番美しい元素図鑑』
(セオドア・グレイ著、ニック・マン写真、若林文高監修、武井摩利訳、創元社、2010)

タイトルの通り、118種類の元素を美しい写真とともに紹介した、写真集のような図鑑です。著者のセオドア・グレイ氏は、サイエンスライターであり元素コレクターでもあるという人で、元素への愛情が溢れた説明文は読みものとしても楽しめます。化学にあまり興味がなかった中高生の頃の自分を振り返っても、「水平リーベ…」などと暗唱する前にこの本に出会っていればと思うばかりです。

『世界動物大図鑑』
(デイヴィッド・バーニーほか編、日髙敏隆ほか監修、ネコ・パブリッシング、2004)

英国の出版社が発行した「ANIMAL」の日本語版で、無脊椎動物から哺乳類まで2000種類以上を網羅しているそうです。動物図鑑にはイラスト中心のものもありますが、本書は写真が多いのでより引き込まれます。類書に『地球動物図鑑』(フレッド・クックほか監修、山極寿一日本版監修、新樹社、2006)があるので、比較検討して購入されるのも良いかもしれません。

『雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑』
(村井昭夫・鵜山義晃著、草思社、2011)

100種類近い雲の写真と名前を紹介した図鑑です。それぞれの雲のめずらしさが☆の数で示されています。私の知人の小学校高学年の女の子は、この本を参考に毎日の雲の様子を定点観測し、夏休みの自由研究としてまとめていました。価格も手ごろでおすすめです。

こうして見ると、一昔前よりも良質な図鑑にふれることができる現代の子どもたちが羨ましいですね。今回紹介した図鑑は大人も好奇心をくすぐられるような素晴らしい内容なので、ぜひ一度手にとってみてください。


*1「出版不況をぶっ飛ばす!? “新型図鑑ブーム” の深層」(日経トレンディネット、2012/6/26)

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120622/1041622/?rt=nocnt



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