夢が見つかるまでは勉強しろ!〜Tehu氏に聞く

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兵庫県神戸市の灘中学校・高等学校は、1学年の220人から東京大学理科三類と京都大学医学部にそれぞれ20人前後の合格者を出すなど、全国トップクラスの進学校として知られる。その中で異彩を放っているのが、デジタルクリエイターとして活動する高校3年生のTehu氏だ。東大を目指して受験勉強で追い込みをかける同級生たちを尻目に、すでにAO入試で慶応大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)への進学を決めたという。“スーパーIT高校生”などと称されるTehu氏に教育観を語ってもらった。

 東大の平均は灘より低い?

——灘校生の大半が受験する東大ではなく、慶応大のSFCへの進学を決めましたね。

「東大は勉強ができる学生を選んでいる学校ですけど、それは灘も同じですよね。むしろ学力だけを見れば、東大の平均は灘より低いかもしれません。灘から東大に行ったOBに話を聞くと、『東大は劣化版の灘校だ』と言って高校の時と同じメンバーでつるんでいる人も少なくないようです。それはちょっと面白くないなと。もし僕が物理学者を目指すならそれでも東大に行くべきだと思うんですけど、クリエイターやディレクターなので、美大や芸大もしくはSFCに行こうと思いました」

——例えば東京芸術大学なども選択肢として考えられたのではないですか。

「僕の志望校は、東大→スタンフォード大学→MIT→東大→デジハリ(*1)→SFCと、高校3年間の中で色々と変遷しているんです。実は東京芸大のアドミッション・ポリシーも全部読みました。でも僕はアーティストになりたいわけじゃなく、アーティストのような『ものをつくる人間』をひっぱる側なので、アートだけでなくマネジメントや哲学・心理学なども総合的に学びたい。美大や芸大はアート以外の部分が弱いですよね」

——SFCのどういった点に魅力を感じましたか。

「三田とか日吉とか、他のキャンパスの授業も自由に受けられますし、この授業は3年生からしか受けられないといった縛りがないところです。あとは在学中に起業する人が多いのも魅力ですね。SFC出身の起業家の方とお会いすることもありますが、非常に優秀な方が多いと感じます。企業との接点も作りやすいですし、学力だけでない良さがあると思います」

——Tehuさんのツイッターでの「東大でなく慶応を選んだ理由」に関する発言に対しては、様々な反応があったようですね。

「慶応の平均は東大より低いとか、当たり前のことを言っているだけだと思うんですけど、すごく反応する人はいますね。僕のことを嫌いな人たちは、ポジティブな発言は無視して炎上させようとしますし。煽り体制がないとか言われるんですけど、喧嘩は買った方が楽しいじゃないですか。可燃性のものが残っているのは一番嫌なので、燃やせるものは全部燃やしたいと思ってます。上手く料理すれば時間を無駄にすることもないです」

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*1 デジハリ:「世界に日本を発信する」を掲げてクリエイター養成校などを運営している、株式会社デジタルハリウッド(東京都千代田区)の略称。

 



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