「良い幼児教育」とは何か〜小竹めぐみ氏に聞く

子育てにおける企業の可能性

ーーこどもみらい探求社ではおやこ保育園に加えて、企業と連携した事業をされていますね。

「弊社のメイン事業はコラボレーション事業です。鉄道会社やマンション関連、地域づくり関連の企業様から頂くコミュニティ作りの依頼や、アプリやサービス、教材の開発など、本当に色々な案件があります。おやこ保育園の1日版のようなものなど、子育て関連のイベントの開催を依頼されることも多いですが、職員向けや保護者向け、企業向けの研修として、講演やワークショップをさせていただくことも多いです」

ーーなぜ、子どもだけでなく大人を対象にした事業にも力を入れているのですか。

「こどもと関わりのないものは世の中にないと思うんです。私も保育士になった頃は、自分とこどもという1本の線しか見えていませんでした。しかし、様々な企業の方と話をするようになった時に、『保育士以外の人がこんなにこどものことを考えているのか』と驚き、感動しました。企業とのコラボを始めたきっかけは『保育業界を変えるのは簡単ではなく、時間もかかるので、まわりから』という思いからでしたが、最近は、実はこれがダイレクトに子育て環境の改善につながっているんじゃないかと思うようになりました。今の私たちは、大人だから、企業だからと境界線を引かずに、手をつなぎ合うことこそが大切だと感じています」

ーー企業と連携した事業の今後の可能性について、どのように考えておられますか。

「日本は企業の影響力が強い国だと感じます。子育てという分野については、課題が多いからこそすごく可能性を感じています。もちろん、企業というよりも、あくまでその中にいる一人ひとりが共感して、一緒に動いてもらえるかどうかが重要です。色々な企業の中に、子育てについての強い思いを持っている方がたくさんおられます。社会全体を見渡すような『鳥の目』も大事だと思いますが、一人ひとりの方に『蟻の目』で向き合うことの積み重ねが、結果的に全体を変えていくと思っています」

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